2012年4月30日(月) コメントは受け付けていません。
例えば、家屋の売買契約成立後、まだ住んでもいないのに、隣の家が火事になり、当該家屋が焼けてしまった場合、買主は代金を払わなければならないのでしょうか。
この点、特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰するとされています(民法534条1項)。
すなわち、家屋のような特定物の売買契約などでは、契約成立後、当該特定物が売主の責めに帰することができない事由によって滅失などしてしまったときは、買主は売買代金を支払わなければならないということです。
これを危険負担の債権者主義といいます。
なんだか変な気がしますが、条文を素直に読めば、例のような結果になると考えます。
このような不都合性を回避するため、民法534条1項は任意規定であることから、当事者の契約によって排除することができ、またそれが一般的でしょう。
2012年3月15日(木) コメントは受け付けていません。
手付とは、売買契約等の締結の際、当事者の一方から相手方に交付する金銭等をいいます。
手付について、当事者においてどのような性質のものかを明示しない場合、その手付の性質は、証約手付(契約が成立したことを示す)であり、かつ、解約手付(両当事者の解除権留保)と推定されます。
解約手付とは、買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができるとするものです(民法557条1項)。
例えば、AさんがBさんから1000万円の土地を購入し、手付として100万円を交付したところ、Aさんは後日さらに条件のよい土地を見つけ、Bさんとの売買契約を解除したくなったとします。
通常、契約の解除は、Bさんの債務不履行等が必要ですが、この場合はAさんが交付した100万円を放棄することで、売買契約を解除することができます。
また、Bさんとしても、土地をさらに高値で買ってくれるCさんが現れたとして、Aさんとの契約を解除したい場合は、Aさんに手付の倍額である200万円を交付することで、Aさんに債務不履行等がなくても売買契約を解除することができます。
2012年2月15日(水) コメントは受け付けていません。
債務者が、その債務の本旨に従った履行をしない(債務不履行)場合、債権者は、債務者に対し損害賠償を請求することができます(民法415条)。
そして、この場合の損害賠償額は、当事者間においてあらかじめ約定しておくことができます(民法420条)。
例えば、商品を納品する期限を2月末日とし、「遅滞すれば1日につき100,000円支払うものとする」という約定をするような場合です。
こうしておくことで、債権者(買主)は、債務不履行の事実さえ証明すればよく、損害の発生や損害額を立証することなく、損害賠償の請求が可能となります。
また、損害賠償額を予定した以上、裁判所もその額を増減することができません(同条1項後段)。
ただし、予定した損害賠償額があまりにも過大であるような場合は、公序良俗違反として無効とされることがあります(民法90条)。
利息制限法等の特別法の制限がある場合も、同様です。
損害賠償額の予定がある場合でも、過失相殺(民法418条)は適用されます。
先程の例でいえば、納期限から5日遅れたものの、その遅れた原因が債権者(買主)にもあった場合、債権者(買主)の500,000円の損害賠償請求に対し、債務者(売主)は過失相殺による減額を主張することができます(最判平6・4・21)。
2012年1月24日(火) コメントは受け付けていません。
賃貸借契約において、賃借人が賃借権を譲渡したり、目的物を転貸する場合、賃貸人の承諾が必要とされており、この承諾を得ない場合、賃貸人は当該賃貸借契約を解除できるのが原則です(民法612条)。
例えば、アパート賃貸借契約において、大家さんの承諾なしに当該アパートを第三者に転貸した場合、大家さんはアパート賃貸借契約を原則として解除できるということです。
しかし、アパートのような不動産賃借権は、賃借人の日常生活の基礎をなすものであり、簡単に解除できるとするのは酷であるといえます。
そこで、判例上、賃借人による賃借権の無断譲渡や目的物の転貸が行われた場合でも、「賃借人の当該行為が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情がある場合においては、解除権は発生しない」と解されています(信頼関係法理)。
例えば、アパート賃借人が大家さんに無断で当該アパートを転貸したけれども、転借人が自分の子供であるような場合で、それが大家さんへの裏切り行為とまではいえないとすれば、大家さんは当該賃貸借契約を解除することはできないことになります。
2011年12月23日(金) コメントは受け付けていません。
宇都宮法務行政書士事務所は、2011年12月29日~2012年1月4日まで年末年始休業とさせていただきます。
お手数ですが、ご用の際は下記よりお願いいたします。
お問合わせ
今年もクライアントの皆様をはじめ、関係者の方々には、大変お世話になりました。
来年も宜しくお願いいたします。
2011年12月7日(水) コメントは受け付けていません。
今日の法律問題は保証人の抗弁権についてご説明します。
債権者Aと債務者Xが100万円の金銭消費貸借契約を締結し、債務者Xには保証人Yがいたとします。
そして、主たる債務者Xが弁済期を過ぎてもなかなか支払わないため、債権者Aが保証人Yに履行請求をしてきたとします。
このとき、保証人Yには次のとおり抗弁権が認められています。
①催告の抗弁権
債権者Aが主たる債務者Xに履行の請求をすることなく、いきなり保証人Yに債務の履行を求めてきた場合、保証人Yはまず主たる債務者であるXに催告するよう請求することができます(民法452条)。
ただし、主たる債務者Xが破産手続開始の決定を受け又は行方不明となっている場合、当該抗弁権は認められません(同条但書)。
②検索の抗弁権
債権者Aが主たる債務者Xに催告した後でも、先に保証人Yに対して執行してきた場合には、保証人Yは主たる債務者Xに弁済をする資力があり、かつ執行も容易であることを証明すれば、まず主たる債務者Xの財産に対して執行すべきことを主張できます(民法453条)。
なお、Yが連帯保証人である場合、上記①②の抗弁権は主張できないため、注意が必要です(民法454条)。
保証人Yが債務を弁済した場合、それは主たる債務者Xのための弁済なので、Xに対し求償することができます(民法459条・442条・462条)。
2011年11月7日(月) コメントは受け付けていません。
今日の法律問題は相殺についてご説明します。
相殺とは、債権者と債務者に、同種の債権債務がある場合、その債権と債務とを対等額において消滅させる一方的意思表示をいいます。
例えば、AさんにはBさんに対する50万円の売上債権(売掛金)が、BさんにはAさんに対する100万円の貸金債権があったとします。
この場合、Aさんは相殺の意思表示をすることで、売上債権50万円分の債務が消滅し、Bさんに残り50万円を支払えばよいことになります。
相殺の原則的要件は次のとおりです(民法505条)。
(1)双方が互いに債務を負担すること
(2)双方の債権が同種の目的を有すること(双方とも金銭債権等)
(3)双方の債務(少なくとも自働債権)が弁済期にあること
(4)債務の性質が相殺を許すものであること
2011年10月13日(木) コメントは受け付けていません。
今日の法律問題は無権代理についてご説明します。
何の代理権もないのに、代理人であるとして行われた行為を無権代理といい、原則として効力は生じません(民法113条1項)。
例えば、Aを自分の債務の連帯保証人とする契約を、Aを代理して他人との間で締結してしまうような行為が、これに該当します。
A本人は、当該無権代理行為を追認して有効にすることも、追認を拒絶することもできます。
追認とは、無権代理の効果を有効にするための意思表示です。
追認した場合、当該無権代理の効果が、無権代理行為時に遡ってA本人に帰属します(民法116条)。
他方、追認を拒絶した場合、当該無権代理の効果は本人に帰属しないことで確定します(民法113条2項)。
無権代理人は、本人の追認を得られない場合、相手方に対し損害賠償等の責任を負わなければなりません(民法117条)。
2011年9月19日(月) コメントは受け付けていません。
今日の法律問題は民事執行手続についてご説明します。
例えば、民事訴訟において原告勝訴判決が確定されても、被告が任意に義務を履行しない場合があります。
これを現実に履行させるには、原告は民事執行の申し立てを行い、被告の財産に対して民事執行手続を開始してもらう必要があります。
つまり、民事執行手続は、権利を最終的に実現するための強制手続なのです。
民事執行には、強制執行、担保権の実行としての競売等があります。
執行機関は、裁判所や裁判所内にいる執行官となります。
2011年9月6日(火) コメントは受け付けていません。
毎年恒例となりました当事務所関連事業所のTMCグループ大研修会が開催されます。
今年度も宇都宮、那須の2会場に分けて開催されます。
宇都宮に続き、下記のとおり那須会場の開催となります。
参加はどなたでもできます。
ご希望の方は、当事務所までお問い合わせください。
◆開催日 2011年11月8日(火) 14:00~ (受付13:30~)
◆会 場 ホテルサンバレー那須 栃木県那須郡那須町湯本203
◆参加費 5,000円(懇親会費込み)又は15,000円(懇親会費・宿泊費込み)
◆プログラム(予定)
「事業承継問題のポイント」 TMC専任講師
「労使紛争解決あっせん事例」 ㈱TMC経営支援センター 代表取締役会長 岡部正治
18:00~ 懇親会(異業種交流会)