宇都宮法務行政書士事務所

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債権執行における差押禁止債権

給料、退職金等の債権については、その4分の3(月33万円を超えるときは33万円)が差押禁止債権となります(民事執行法152条)。

例えば、債務者の給料が20万円の場合、その4分の3である15万円が差押禁止となります。
他方、債務者の給料が100万円の場合、その4分の3は75万円となりますが、33万円を超えているため、33万円が差押禁止となります。
この33万円は、給料が高い人に4分の3ルールを適用すると、差押禁止となる部分が多すぎて債権者を害することを防止する趣旨です。

行政不服審査法改正

 行政不服審査法が改正されました(施行日未定)。
 行政不服審査制度とは、行政処分に関し、国民がその見直しを求め、行政庁に不服を申し立てる手続です。
 簡易迅速な手続により、手数料無料で国民の権利利益を救済することを目的としています。

 主な改正点は以下のとおりです(総務省ホームページより)。

1.公正性の向上
(1)審理において、職員のうち処分に関与しない者(審理員)が、両者の主張を公正に審理(第9条)
(2)裁決について、有識者から成る第三者機関が点検(第43条)
 第三者の視点で審査庁の判断の妥当性をチェックすることにより、裁決の公正性を向上。
 審査請求人が希望しない場合、第三者機関が不要と認めた場合等には諮問を不要とし、迅速な裁決を希望する国民にも配慮。
(3)審理手続における審査請求人の権利を拡充
 証拠書類等の閲覧・謄写(第38条)、口頭意見陳述における処分庁への質問(第31条第5項)など。

2.使いやすさの向上
(1)不服申立てをすることができる期間を60日から3か月に延長(第18条)
(2)不服申立ての手続を審査請求に一元化
 現行は上級行政庁がない場合は処分庁に「異議申立て」をするが、処分庁から説明を受ける機会が与えられていないなど「審査請求」と手続が異なる。「異議申立て」をなくし「審査請求」に一元化(第2条)することで、こうした問題が解消。
 不服申立てが大量にあるもの(国税、関税など)について、例外的に、「再調査の請求*」手続を設ける。申立人は、再調査の請求をすることなく、審査請求をすることができるものとする。(第5条)
※処分庁が簡易な手続で事実関係の再調査することによって処分の見直しを行う手続
 審査請求を経た後の救済手続として意義がある場合(社会保険、労働保険など)には、例外的に、再審査請求ができることとする。(第6条)
(3)標準審理期間の設定(第16条)、争点・証拠の事前整理手続の導入(第37条)などにより、迅速な審理を確保
(4)不服申立前置の見直し

3.国民の救済手段の充実・拡大~行政手続法の改正~
 不服申立ては、行政処分により不利益を受けた場合に行政に不服を申し出る仕組みであるが、それ以外にも以下のような場合を、法律上の仕組みとして位置付けた。
〔見直し内容〕
(1) (法令違反の事実を発見すれば)是正のための処分等を求めることができる。(第36条の3)
 国民が、法律違反をしている事実を発見した場合に、行政に対し適正な権限行使を促すための法律上の手続を定めるもの。
(2) (法律の要件に適合しない行政指導を受けたと思う場合に)中止等を求めることができる。(第36条の2)
 法律に基づく行政指導を受けた事業者が、行政指導が法律の要件に適合しないと思う場合に、行政に再考を求める申出を法律上の手続として位置付けるもの。

婚姻の解消と氏

夫婦が離婚した場合、婚姻によって氏を改めていた夫又は妻は、婚姻前の氏に戻ります(民法767条1項)。
ただし、離婚後3ヶ月以内に届け出ることで、婚姻後の氏とすることができます(婚氏続称 同条2項)。

他方、夫婦一方の死亡によって婚姻が解消された場合、生存配偶者は、当然には婚姻前の氏に戻りません。
婚姻前の氏に戻ることを希望する場合は、届け出ることを要します(民法751条1項)。

上記により、夫婦の氏が変わった場合、その夫婦の子は、家庭裁判所の許可を得て、届け出ることによって父又は母の氏に変更することができます(民法791条1項)。

任意後見契約

任意後見契約とは、十分に判断能力を有する者が将来事理弁識能力不十分になった場合に備え、後見人候補者を定めておくことをいいます。

任意後見契約を締結するには、公正証書によることが必要です。
そして、本人の判断能力が衰えた場合、本人、後見人候補者、親族が家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申立て、選任されることによって任意後見契約の効力が生じます。
任意後見制度は、できるだけ本人の意思を尊重しようとするものであり、原則として法定後見に優先します。

準消費貸借契約

準消費貸借契約とは、消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する債務を負う場合において、その物を消費貸借の目的とすることを約する契約をいいます(民法588条)。

例えば、AがBに商品を10個売り、Bが代金100万円の支払いがすぐにはできなかったとします。
このとき、AB間の合意により、BがAに100万円借りたということにするのが、準消費貸借契約です。

準消費貸借契約をするメリットは、次のとおりです。
① Bは、お金が準備できたときにいつでも返還できる(民法591条)。
② 商品の売買代金債務の場合、先取特権が発生するが、これが消滅する。
③ Aは、10個の売買代金債権を訴求せずとも、1個の貸金債権を訴求できる。

また、未払い利息を元本に組み入れ、新たに借り入れたとする処理も準消費貸借契約に該当します。

弁済の充当

例えば、債務者Aが債権者Bに100万円の貸金債務と200万円の代金債務を負っているとし、債務者Aが100万円弁済したとします。
この場合、弁済した100万円はいずれの債務に充当されるのでしょうか。

AB間において契約があればそれに従いますが、契約がなければ債務者Aは給付のときにおいて、その弁済を充当すべき債務を指定することができます(民法488条1項)。
債務者Aが指定をしないときは、債権者Bがその受領時において指定できますが、Aが直ちに異議を述べたときはその充当は無効です(民法488条2項・)。

AB共に充当の指定をしない場合や、Bの指定にAが直ちに異議を述べたときは法定充当となります。
法定充当の充当される順序は、
①弁済期にあるもの
②債務者のために利益の多いもの(利息や担保の付いた債権等)
③弁済期が先に到来したもの、または先に到来すべきもの
④以上の基準で先後が決されない場合は各債務の額に応じて充当されます。

また、充当方法に関する制限として、債務者Bが元本、利息、費用を払わなければならない場合においては、その給付を費用、利息、元本の順に充当しなければなりません(民法491条1項)。
この順序は当事者の合意による場合は別として、当事者の指定で変更することはできないと解されています。

敷金返還請求権

敷金とは、主に建物賃貸借契約に際し、賃借人の賃料等の債務を担保するため、賃借人から賃貸人に交付される金銭をいいます。

大家Aと賃借人Bが、家賃10万円・敷金20万円の建物賃貸借契約を締結したとします。
この賃貸借契約が終了し、大家Aが賃借人Bに建物から出て行ってくれと言ったところ、賃借人Bは、敷金20万円を返還してもらわない限り出ていかないと主張しているとします。
賃借人Bの主張は認められるのでしょうか。

この点、敷金は明渡しまでに生じた賃貸人の債権を担保するためのものだから、敷金返還請求権は、明渡しによってはじめて発生するものと解されています(最判昭49・9・2)。

そうすると、敷金返還請求権は、賃借人Bが建物を明渡した時点で発生するから、大家Aの明渡し請求に対して、Bの主張は認められないことになります。

贈与の撤回

贈与とは、当事者の一方が、自己の財産を無償で相手方に与える契約をいいます(民法549条)。
贈与も契約である以上、贈与者の「あげる」という意思と、受贈者の「もらう」という意思の合致が必要です。

贈与契約には、特段の書面は必要ありません。
ただし、書面によらない贈与は、履行の終わらない部分について各当事者が撤回できるとされています(民法550条)。

例えば、100万円の贈与契約を口頭で締結し、70万円を渡したとしても、残り30万円については、撤回できます。
他方、書面で贈与契約を締結すれば、残り30万円についても撤回できません。

なお、夫婦間については、婚姻中いつでも取消せるとされています(民法754条)。

危険負担の債権者主義

例えば、家屋の売買契約成立後、まだ住んでもいないのに、隣の家が火事になり、当該家屋が焼けてしまった場合、買主は代金を払わなければならないのでしょうか。

この点、特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰するとされています(民法534条1項)。
すなわち、家屋のような特定物の売買契約などでは、契約成立後、当該特定物が売主の責めに帰することができない事由によって滅失などしてしまったときは、買主は売買代金を支払わなければならないということです。

これを危険負担の債権者主義といいます。
なんだか変な気がしますが、条文を素直に読めば、例のような結果になると考えます。
このような不都合性を回避するため、民法534条1項は任意規定であることから、当事者の契約によって排除することができ、またそれが一般的でしょう。

手付

手付とは、売買契約等の締結の際、当事者の一方から相手方に交付する金銭等をいいます。

手付について、当事者においてどのような性質のものかを明示しない場合、その手付の性質は、証約手付(契約が成立したことを示す)であり、かつ、解約手付(両当事者の解除権留保)と推定されます。
解約手付とは、買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができるとするものです(民法557条1項)。

例えば、AさんがBさんから1000万円の土地を購入し、手付として100万円を交付したところ、Aさんは後日さらに条件のよい土地を見つけ、Bさんとの売買契約を解除したくなったとします。
通常、契約の解除は、Bさんの債務不履行等が必要ですが、この場合はAさんが交付した100万円を放棄することで、売買契約を解除することができます。

また、Bさんとしても、土地をさらに高値で買ってくれるCさんが現れたとして、Aさんとの契約を解除したい場合は、Aさんに手付の倍額である200万円を交付することで、Aさんに債務不履行等がなくても売買契約を解除することができます。

損害賠償額の予定

債務者が、その債務の本旨に従った履行をしない(債務不履行)場合、債権者は、債務者に対し損害賠償を請求することができます(民法415条)。
そして、この場合の損害賠償額は、当事者間においてあらかじめ約定しておくことができます(民法420条)。

例えば、商品を納品する期限を2月末日とし、「遅滞すれば1日につき100,000円支払うものとする」という約定をするような場合です。
こうしておくことで、債権者(買主)は、債務不履行の事実さえ証明すればよく、損害の発生や損害額を立証することなく、損害賠償の請求が可能となります。

また、損害賠償額を予定した以上、裁判所もその額を増減することができません(同条1項後段)。
ただし、予定した損害賠償額があまりにも過大であるような場合は、公序良俗違反として無効とされることがあります(民法90条)。
利息制限法等の特別法の制限がある場合も、同様です。

損害賠償額の予定がある場合でも、過失相殺(民法418条)は適用されます。
先程の例でいえば、納期限から5日遅れたものの、その遅れた原因が債権者(買主)にもあった場合、債権者(買主)の500,000円の損害賠償請求に対し、債務者(売主)は過失相殺による減額を主張することができます(最判平6・4・21)。

賃貸借契約の解除

賃貸借契約において、賃借人が賃借権を譲渡したり、目的物を転貸する場合、賃貸人の承諾が必要とされており、この承諾を得ない場合、賃貸人は当該賃貸借契約を解除できるのが原則です(民法612条)。
例えば、アパート賃貸借契約において、大家さんの承諾なしに当該アパートを第三者に転貸した場合、大家さんはアパート賃貸借契約を原則として解除できるということです。

しかし、アパートのような不動産賃借権は、賃借人の日常生活の基礎をなすものであり、簡単に解除できるとするのは酷であるといえます。

そこで、判例上、賃借人による賃借権の無断譲渡や目的物の転貸が行われた場合でも、「賃借人の当該行為が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情がある場合においては、解除権は発生しない」と解されています(信頼関係法理)。
例えば、アパート賃借人が大家さんに無断で当該アパートを転貸したけれども、転借人が自分の子供であるような場合で、それが大家さんへの裏切り行為とまではいえないとすれば、大家さんは当該賃貸借契約を解除することはできないことになります。

保証人の抗弁権

今日の法律問題は保証人の抗弁権についてご説明します。
債権者Aと債務者Xが100万円の金銭消費貸借契約を締結し、債務者Xには保証人Yがいたとします。
そして、主たる債務者Xが弁済期を過ぎてもなかなか支払わないため、債権者Aが保証人Yに履行請求をしてきたとします。

このとき、保証人Yには次のとおり抗弁権が認められています。
①催告の抗弁権
債権者Aが主たる債務者Xに履行の請求をすることなく、いきなり保証人Yに債務の履行を求めてきた場合、保証人Yはまず主たる債務者であるXに催告するよう請求することができます(民法452条)。
ただし、主たる債務者Xが破産手続開始の決定を受け又は行方不明となっている場合、当該抗弁権は認められません(同条但書)。

②検索の抗弁権
債権者Aが主たる債務者Xに催告した後でも、先に保証人Yに対して執行してきた場合には、保証人Yは主たる債務者Xに弁済をする資力があり、かつ執行も容易であることを証明すれば、まず主たる債務者Xの財産に対して執行すべきことを主張できます(民法453条)。

なお、Yが連帯保証人である場合、上記①②の抗弁権は主張できないため、注意が必要です(民法454条)。

保証人Yが債務を弁済した場合、それは主たる債務者Xのための弁済なので、Xに対し求償することができます(民法459条・442条・462条)。

相殺

今日の法律問題は相殺についてご説明します。
相殺とは、債権者と債務者に、同種の債権債務がある場合、その債権と債務とを対等額において消滅させる一方的意思表示をいいます。

例えば、AさんにはBさんに対する50万円の売上債権(売掛金)が、BさんにはAさんに対する100万円の貸金債権があったとします。
この場合、Aさんは相殺の意思表示をすることで、売上債権50万円分の債務が消滅し、Bさんに残り50万円を支払えばよいことになります。

相殺の原則的要件は次のとおりです(民法505条)。
(1)双方が互いに債務を負担すること
(2)双方の債権が同種の目的を有すること(双方とも金銭債権等)
(3)双方の債務(少なくとも自働債権)が弁済期にあること
(4)債務の性質が相殺を許すものであること

無権代理

今日の法律問題は無権代理についてご説明します。
何の代理権もないのに、代理人であるとして行われた行為を無権代理といい、原則として効力は生じません(民法113条1項)。
例えば、Aを自分の債務の連帯保証人とする契約を、Aを代理して他人との間で締結してしまうような行為が、これに該当します。

A本人は、当該無権代理行為を追認して有効にすることも、追認を拒絶することもできます。
追認とは、無権代理の効果を有効にするための意思表示です。
追認した場合、当該無権代理の効果が、無権代理行為時に遡ってA本人に帰属します(民法116条)。

他方、追認を拒絶した場合、当該無権代理の効果は本人に帰属しないことで確定します(民法113条2項)。
無権代理人は、本人の追認を得られない場合、相手方に対し損害賠償等の責任を負わなければなりません(民法117条)。

民事執行手続

今日の法律問題は民事執行手続についてご説明します。
例えば、民事訴訟において原告勝訴判決が確定されても、被告が任意に義務を履行しない場合があります。
これを現実に履行させるには、原告は民事執行の申し立てを行い、被告の財産に対して民事執行手続を開始してもらう必要があります。
つまり、民事執行手続は、権利を最終的に実現するための強制手続なのです。

民事執行には、強制執行、担保権の実行としての競売等があります。
執行機関は、裁判所や裁判所内にいる執行官となります。

雇用促進税制

雇用促進税制が創設されました。
1年間で10%以上かつ5人以上(中小企業は2人以上)従業員を増やす等の要件を満たした事業主は、従業員の増加1人当たり20万円の税額控除が受けられます。
この優遇措置を受けるためには、「雇用促進計画」を作成し、あらかじめ公共職業安定所(ハローワーク)に届け出る必要があります。

雇用促進計画は、平成23年4月1日から8月31日までの間に事業年度が開始する事業主は10月31日までに、9月1日以降に事業年度が開始する事業主は事業年度開始後2か月以内に届け出なければなりません。

離婚協議書(雛形)

今日の法律問題は離婚協議書についてご説明します。
離婚協議書とは、離婚の際の取り決めを書面にしたもので、協議離婚書、離婚合意書等、その名称はなんでもかまいません。
離婚協議書を作る意義として、取り決めを書面にすることで後々のトラブルを防止するのはもちろんのこと、具体的な離婚条件を記載した書面を相手方に提示することにより現実的な交渉が可能となることです。
下記に離婚協議書の雛型を掲示しておきますので、参考にして下さい。

離婚協議書(雛形)



 夫AAA(昭和…年…月…日生、以下「甲」という)と妻BBB(昭和…年…月…日生、以下「乙」という)は、離婚について協議を行い、下記の内容で合意確認した。

第 1 条  甲及び乙は、平成…年…月…日付で協議離婚することに合意した。

第 2 条  甲乙間の子CCC(平成…年…月…日生、以下「丙」という)の親権者及び監護権者を乙と定め、丙が成年に達するまで引き取り養育する。

第 3 条  甲は乙に対し、丙の養育費として平成…年…月から丙が20歳に達する日の属する月まで、毎月…日限り…万円ずつ、乙の指定する金融機関口座に振り込んで支払う。

第 4 条  甲は乙に対し、慰謝料として金…円の支払い義務があることを確認する。
2  前項の慰謝料は、平成…年…月…日までに金…円を、残りを平成…年…月から完済まで、毎月…日限り…万円ずつ、乙の指定する金融機関口座に振り込んで支払う。

第 5 条  甲及び乙は、甲の義務が完結する日まで、それぞれの住所、勤務先、電話番号を変更した場合、速やかにお互いの変更後の住所、勤務先、電話番号を相手方に文書で通知しなければならない。

第 6 条  甲及び乙は、本件離婚が円満に解決したことを確認し、今後、本書で定めた事項以外には、相手方に対し何ら請求しないものとする。

 上記協議を証するため、本書2通を作成し、双方署名押印の上、各自その1通を保有するものとする。

 年  月  日
             甲             印
             乙             印


※この離婚協議書はあくまで雛形です。全て自己責任のもと使用して下さい。

技術の在留資格

今日の法律問題は技術の在留資格についてご説明します。
技術とは、理学、工学その他自然科学の分野に属する技術または知識を要する業務に従事する活動とされており、例えば理工系を専攻していた外国人が、大学卒業後、システムエンジニア、プログラマー、機械設計、建設技術等の仕事を行なう場合に必要となる在留資格です。

技術の在留資格を取得するための具体的な基準は、主に次のとおりです。

(1)従事しようとする業務について、必要な知識に係る科目を専攻して大学を卒業し、若しくはこれと同等以上の教育を受け、または従事しようとする業務について10年以上の実務経験により、当該知識を修得していること。

(2)日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること。

技術の在留資格で認められる在留期間は3年または1年です。
許可された在留期間満了後も現在と同じ在留活動を行いたい場合は、法務大臣に対し在留期間更新許可申請を行い、在留期間更新の許可を受けなければなりません。

離婚時等の年金分割制度

今日の法律問題は離婚時等の年金分割制度についてご説明します。
年金は、老後の生活において基盤となりえるものです。
しかし、婚姻期間中(事実婚を含む)、例えば夫がサラリーマン、妻が専業主婦やパートで夫の被扶養配偶者だった場合、妻は自分の厚生年金保険料を支払っていません。

そうすると、離婚後、妻は自分が会社勤めしていた頃の厚生年金部分しか受給できなくなるという事態が発生します。
このような場合、夫婦の協議等により、厚生年金を分割するというのが離婚時の年金分割制度です。

離婚時の年金分割制度には二種類あり、一つは合意分割制度、もう一つは3号分割制度となります。

合意分割制度
平成19年4月1日以後に離婚等した場合、当事者の請求により、婚姻期間中の標準報酬(厚生年金額計算の基礎となるもの)を、当事者の合意または裁判手続により定めた割合に分割する制度です。

夫婦二人で年金事務所に出向き年金分割について合意した内容の手続をとる、合意内容を公正証書にして夫婦のいずれかが年金事務所で手続する等の方法があります。
年金分割について夫婦間で合意ができないときは、家庭裁判所の審判手続等により決定することになります。

3号分割制度
国民年金第3号被保険者であった方(被扶養配偶者)の請求により、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の標準報酬を半分に分割する制度です。
合意分割制度との違いは、当事者の合意の有無にかかわらず、厚生年金の標準報酬が半分に分割されるところにあります。

離婚時の年金分割の請求書ダウンロード(2010年6月現在)
離婚時の年金分割の請求書

なお、合意分割制度、3号分割制度は、年金事務所に同時申請することも可能です。

農地転用の審査基準

今日の法律問題は農地転用の審査基準についてご説明します。
農地転用とは、農地を宅地、駐車場、山林等に転換することです。
その土地の地目・課税台帳・実情のいずれかが農地である場合、農地転用手続が必要となります。

この農地転用の審査基準は、自治体によって異なる場合があり、例えば宇都宮市では次のような基準とされています。

市街化区域
宇都宮市農業委員会への届出で足りる。

市街化区域以外
転用する農地が、4ヘクタール以下の場合は宇都宮市農業委員会、4ヘクタールを超える場合は大臣の許可が必要。

(1)農用地区域
原則として不許可。
ただし、農家住宅敷地等については、農用地区域からの除外手続きを行い、その上で転用申請を行う。

(2)(1)以外の区域
農地の位置や自然条件・都市的環境により区分された立地基準(農地区分)、農地転用の必要性等によって審査。

人文知識・国際業務の在留資格

今日の法律問題は人文知識・国際業務の在留資格についてご説明します。
人文知識・国際業務とは、例えば文系を専攻していた外国人が、大学卒業後、日本で法律・経済等の人文知識を要する仕事を行なう場合や、通訳・翻訳等の国際業務を行なう場合に必要となる在留資格です。

人文知識・国際業務の在留資格を取得するための具体的な基準は、主に次のとおりです。

人文知識
(1)従事しようとする業務について、必要な知識に係る科目を専攻して大学を卒業し、若しくはこれと同等以上の教育を受け、または従事しようとする業務について10年以上の実務経験により、当該知識を修得していること。

(2)日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること。

国際業務
(1)外国の文化に基盤を有する思考または感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。
①翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝または海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
②従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳または語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。

(2)日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること。

人文知識・国際業務の在留資格で認められる在留期間は3年または1年です。
許可された在留期間満了後も現在と同じ在留活動を行いたい場合は、法務大臣に対し在留期間更新許可申請を行い、在留期間更新の許可を受けなければなりません。

子どもの養育費


今日の法律問題は子どもの養育費についてご説明します。
養育費とは、通常、子どもが自立するまでに必要とする費用で、主に衣食住に必要な経費、教育費、医療費、最小限度の文化費等を指します。
養育費は、親権とは無関係であり、子どもと生活しない側の親も負担します。

養育費の決定方法には、主に次のような方法があります。

(1)話し合いによる決定
当然ながら、これで決定できるにこしたことはありません。
例えば離婚するとき、親権者、養育費の金額、支払期間、支払い方法等を話し合い、離婚協議書等にして書面で残しておきます。

(2)家庭裁判所の調停や審判等による決定
離婚調停では、通常養育費の取り決めも行いますが、離婚届を出してからでも養育費請求の申し立てをすることができます。
調停でまとまらない場合、家庭裁判所では審判で養育費を決めます。
調停や審判で決まれば、支払いが滞ったとき強制執行が可能です。

(3)家庭裁判所の裁判による決定
離婚を求める訴訟では、同時に養育費についても判決で決めてもらうことができます。

養育費の額は、両親の経済レベルと関連して決定されますが、当事者の合意で事由に決めることができます。
目安として、家庭裁判所でも使用されている養育費算定表というものがあります。

養育費算定表ダウンロード(2010年2月現在)
養育費算定表

なお、養育費を負担する義務は、養子縁組をしない限り再婚相手にはないため、養育費を受け取る側が再婚したというだけでは、養育費の支払いを中止する理由になりません。

農地の賃貸借契約の解約等


今日の法律問題は農地の賃貸借契約の解約等についてご説明します。
農地の賃貸借契約の解約、賃貸借契約の更新をしない場合等は、都道府県知事の許可を得る必要があります。(農地法第20条)
この許可を得ないで行った解約や更新しない旨の通知は無効となります。

ただし、次のいずれかに該当する場合、許可は必要なく、農業委員会へ通知することで足ります。
(1)解約等が信託事業の信託財産について行われる場合
(2)解約等が期限前6ヶ月以内に成立した合意によるもので、その旨が書面において明らかである場合、または農事調停によって行われる場合
(3)賃貸借契約の更新をしない旨の通知が10年以上の有期契約、または水田裏作を目的とする賃貸借について行われる場合

パスポートとビザの違いは?


今日の法律問題はパスポートとビザの違いについてご説明します。
まずパスポート(passport、旅券)は、その国の国籍保持者に対し交付されるもので、例えば日本国籍者には日本のパスポートが、アメリカ国籍者にはアメリカのパスポートが発給されます。
パスポートとは、ある人が外国へ行くとき、パスポートを発給した国の政府が、その人の国籍や人物を証明し、帰国できることを約束し、渡航先国に対し入国や滞在についての安全等を要請するものです。

これに対し、ビザ(visa、査証)は、外国人に対し入国を認めるようとする国側が発給するもので、例えば日本人がアメリカへ行くときはアメリカ政府発給ビザが、アメリカ人が日本へ来るときは日本政府発給ビザが原則として必要となります。
ビザとは、パスポートの有効性や記載された範囲で入国させても問題ないという推薦状といえます。
このビザは、入国前、大使館や領事館といった在外公館において、パスポート上にハンコやシール等によって受けます。

しかし、日本人がアメリカへ旅行に行くとき、ビザのことを意識しません。
これは、観光程度の短期滞在であれば、両国間でビザを免除しようという協定があるからです。
このような査証(ビザ)免除措置国・地域は、現在60ヶ所以上あります。
ただし、査証(ビザ)免除措置国・地域でも長期滞在を希望する場合や、短期であっても就労目的である等の場合、やはりビザが必要となります。
ビザは目的に応じて付与されるものなのです。

また、ビザのことを在留資格と誤解してしまうことが多くあります。
在留資格とは、日本では外国人が滞在する根拠となる資格で、○○○○活動をするため日本に滞在してもよいということを示すものです。
日本に入国する外国人は、空港や港で上陸許可を受けます。
上陸許可を受けると、パスポート上にハンコやシール等を受け、日本での在留目的に応じた在留資格を取得し、同時に在留期間も定められるのです。
外国人は、このとき決定された在留資格により日本に在留することとなります。
日本在留中に外国人が行える活動は、この在留資格に応じて決められた活動のみであり、また許容される以外の収入を得ることもできません。

農地転用の罰則

今日の法律問題は農地転用の罰則についてご説明します。
農地転用許可を受けずに農地転用した場合等には、農地法違反となり工事中止や原状回復命令等がなされることがあります。

また、厳しい罰則の適用もあり、例えば次のようなものがあります。

(1)許可を受けずに農地転用を行った者
3年以下の懲役または300万円以下の罰金

(2)偽りその他不正な手段により許可を受けた者
3年以下の懲役または300万円以下の罰金

(3)都道府県知事の工事中止や原状回復等の命令に違反した者
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

農地転用許可制度を知らないで行った場合も適用されますので、注意が必要です。

なお、農地転用許可自体が不要な場合としては、例えば次のようなものがあります。
(1)国、県が転用する場合
(2)土地収用法等により、収用または使用した農地をその目的に転用する場合
(3)日本道路公団等または地方道路公社が道路の敷地に転用する場合
(4)第一種電気通信事業者が有線電気通信のための中継施設等を建設する場合

永住許可申請手続


今日の法律問題は外国人の永住許可申請手続についてご説明します。
永住許可は、在留期間更新許可申請が不要となる(在留期間が無期限)、在留中の活動制限がなくなる、配偶者や子供が永住許可を簡易な基準で受けられる等、非常に安定した在留資格といえます。
融資やローン等においても、金融機関等は永住権があるかどうかを重視するようです。

帰化との主な違いは、国籍に変化がないこと、一時的に日本国外にでるときは再入国許可が必要となること、退去強制手続の対象となること等です。
なお、再入国許可は3年間が限度で、外国にいる間にこの期間が経過すると永住者としての地位を失い、再度永住許可申請手続を行う必要があります。

永住許可申請手続は入国管理局に対し行い、原則として次の要件が必要です。
(1)素行が善良である
(2)独立の生計を営むに足りる資産または技能を有する
(3)国益に合致すると認められる
(4)最長の在留期間を持っている
(5)10年以上継続して日本に在留している

ただし、(5)の必要在留期間には、次のような軽減措置があります。
(1)日本人、永住者、特別永住者の配偶者の場合
・婚姻後3年以上日本に在留していること
・外国での婚姻や同居歴がある場合、婚姻後3年を経過し、かつ日本に1年以上在留していること
(2)日本人、永住者、特別永住者の実子または特別養子の場合
・引き続き1年以上日本に在留していること
(3)難民認定を受けている者(インドシナ定住難民含む)の場合
・引き続き5年以上日本に在留していること
(4)定住者の在留資格を有する者の場合
・定住許可後、引き続き5年以上日本に在留していること
(5)日本への貢献があると認められた者の場合
・引き続き5年以上日本に在留していること(具体的な年数は個別に審査)

農地転用の許可と届出


今日の法律問題は農地転用の許可と届出についてご説明します。
農地法により、農地(耕作を目的とする土地)を農地でない土地(駐車場、資材置き場、住宅地、工業用地、道路、山林等)に変更する場合、売買や賃貸借する場合等には、各市町村の農業委員会等に対し、次のように農地転用許可申請を行う必要があります。
(1)「農地法第3条許可」 農地を農地のまま売買、賃貸借等する場合
(2)「農地法第4条許可」 自己所有の農地を農地以外に転用する場合
(3)「農地法第5条許可」 農地以外にする目的で、売買、賃貸借等をする場合

ただし、都市計画法による「市街化区域」内の農地における「農地法第4条」「農地法第5条」については、許可申請ではなく届出のみで足ります。
都市計画法による「市街化区域」外では、原則として許可申請が必要となります。
なお、農地を農地のまま売買、賃貸借等する場合の「農地法第3条」については、たとえ都市計画法による「市街化区域」内であっても許可申請が必要となります。

農地の相続と贈与

今日の法律問題は、農地の相続や贈与についてご説明します。

農地等の相続
一般的な相続における相続税は、[5,000万円+1,000万円×相続人数]に相当する部分までは課税されず、これを超えた金額にのみ相続税がかかりますが、農地等(田んぼや畑等)を相続した相続人が農業を続ける場合には特例があります。
取得した農地等の価額のうち、農業投資価格を超える部分の相続税額を猶予するというものです。

そして、猶予された税金は次のいずれかに該当した日に免除となります。
(1)その農地の相続人が死亡したとき
(2)相続してから20年間農業を継続したとき
(3)農地の全部を農業後継者に一括生前贈与しその贈与税について納税猶予の特例を受けるとき

なお、農地等を相続や時効で取得した場合、農地転用許可申請手続は必要ありません。
ただし、遺言で指定した財産を遺族に渡す特定遺贈においては農地転用許可申請手続が必要となります。

農地等の贈与
一般的な贈与における贈与税は、110万円に相当する部分までは課税されませんが、農地等(田んぼや畑等)の贈与を受けた者が次の全てを満たせば、その農地等の相続税が原則として猶予されます。
(1)贈与者が農地等を贈与する日まで引続き3年以上農業を営んでいたこと
(2)贈与者が過去に納税猶予に係る一括贈与を行ったことがないこと
(3)受贈者が贈与者の推定相続人の一人であり、18歳以上で贈与の日まで引き続き3年以上農業に従事していた者であること
(4)農業の用に供している農地等の全部または3分の2以上を一括して贈与者に贈与すること
(5)贈与者が借りている借地権も全て贈与すること

なお、その農地等での耕作をやめたり、譲渡、転用、貸付等した場合、贈与税と利子税を払わなければなりません。

農地転用許可申請手続


今日の法律問題は、農地転用許可申請手続についてご説明します。
農地転用とは、農地(耕作を目的とする土地)を農地でない土地(駐車場、資材置き場、住宅地、工業用地、道路、山林等)に変更することをいいます。
農地転用を行う場合、各市町村の農業委員会等に対し、農地転用許可申請を行う必要があります。
この農地転用許可は、すべての農地が対象となります。

例えば、先祖から受け継いだ土地や新しく買った土地に家を建てようと思っても、そこがもし田んぼや畑であれば、すぐに家を建てることはできず、農地転用許可が必要となります。

また、登記地目が農地であれば、たとえ耕作されていなくても、農地として活用できる状態である場合農地として扱われます。
逆に、登記地目が農地でなくても、田んぼや畑に見える土地であれば農地とみなされることもあります。

農地転用許可を受けずに農地を他の土地に転用した場合、農地法違反として工事中止や元の農地に復元するよう命令されることがあります。
なお、農地の売買や登記も農地転用許可が下りるまではすることができません。

農地転用に関する許可は次のような区分にわかれ、各市町村の農業委員会等に対し申請します。
(1)「農地法第3条許可」 農地を農地のまま売買、賃貸借等する場合
(2)「農地法第4条許可」 自己所有の農地を農地以外に転用する場合
(3)「農地法第5条許可」 農地以外にする目的で、売買、賃貸借等をする場合

在留資格変更許可申請手続

今日の法律問題は、在留資格変更許可申請手続についてご説明します。
在留資格を有して日本に在留している外国人が、別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合、法務大臣に対し在留資格変更許可申請を行い、許可を受けなければなりません。

日本に在留する外国人は、この在留資格変更許可により、日本から出国することなく別の在留資格を得ることができます。
例として、「留学」の在留資格から、大学等を卒業して日本企業に就職する為「人文・国際業務」や「技術」といった在留資格に変更したい場合等があげられます。

在留資格変更許可申請手続はいつでもできますが、入国管理局による審査は厳格にされ、特に「企業内転勤」からその他の資格へ変更する場合、「投資・経営」へ変更する場合、「日本人の配偶者等」から「定住者」へ変更する場合等は、特に慎重な対応が必要となります。
なお、「短期滞在」から他の在留資格への変更は、相当な理由がなければ原則として認められておりません。

在留期間更新許可申請手続

今日の法律問題は外国人の在留資格更新手続についてご説明します。
在留資格を有して日本に在留する外国人は、原則としてその許可された在留期間に限り在留することができます。
この許可された在留期間満了後も現在と同じ在留活動を行いたい場合は、法務大臣に対し在留期間更新許可申請を行い、在留期間更新の許可を受けなければなりません。
例として、「技術」の在留資格を有して就労している外国人が、在留期間満了後も引き続き日本で就労する場合等があげられます。

在留期間更新許可申請の手続を行わないまま、許可された在留期間を超えて在留した場合、不法残留や不法就労に該当し、退去強制の対象となります。
また、不法残留者を雇用した企業も罰せられることがあります。

なお、在留期間更新許可申請の際、例えば在留期間を1年から3年に変更したい場合等は、その都度入国管理局が判断します。
この場合、専門性が高くない仕事であったり、転職回数が多かったりすると、すぐに3年間の在留資格が与えられる可能性は低いといえるでしょう。
入国管理局は、在留期間が満了する2ヶ月前から在留期間更新許可申請を受け付けていますので、早めの対応をお勧めします。

在留資格認定証明書


今日の法律問題は在留資格認定証明書についてご説明します。
在留資格認定証明書とは、「短期滞在」以外で日本に入国予定の外国人が、入管法上の在留資格に該当することを法務大臣があらかじめ認定したことを証明する文書です。
この在留資格認定証明書は、入国審査手続の簡易迅速化を目的としています。

日本の学校、企業等が、外国人を留学生、経営者、社員等として受入れる、外国にいる家族を日本に呼び寄せる等の場合、この在留資格認定証明書があることで外国の日本大使館や領事館での査証(ビザ)の取得や日本の空港での上陸審査が簡易迅速になります。
在留資格認定証明書がないまま外国の日本大使館や領事館で査証(ビザ)の申請をした場合、様々な審査手続を必要とする為、審査に時間がかかってしまいます。

これに対し、在留資格認定証明書を交付された外国人は、その在留資格認定証明書を外国の日本大使館や領事館に提示して査証(ビザ)の申請をした場合、在留資格にかかる上陸の為の条件についての法務大臣の事前審査を終えているものとして扱われる為、査証(ビザ)の発給が迅速に行われます。
在留資格認定証明書は入国管理局に申請し、通常は日本側の学校、企業、親族、行政書士等が行います。

なお、その外国人が日本で行おうとする活動に在留資格該当性や基準適合性が認められる場合でも、その外国人が上陸拒否事由に該当するときは在留資格認定証明書は交付されません。
在留資格認定証明書は査証(ビザ)取得や上陸許可を必ず保証するものではありませんが、発効されればほぼ間違いなく入国できるようになります。

成年後見制度

今日の法律問題は成年後見制度についてご説明します。
認知症、知的障害等で判断能力が不十分な方は、不動産や預貯金等を管理したり、介護サービスや施設への入所する契約を結んだり、遺産分割協議をする必要があっても、自分でこれらをするのが困難なことがあります。
また、自分でよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあう恐れもあります。

このような判断能力が不十分な方々を保護、支援するのが成年後見制度です。
成年後見制度は、大きく分けると法定後見制度と任意後見制度の二つがあります。
法定後見制度は、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等(本人の家族等)が、本人の利益を考えながら本人を代理して契約等をしたり、本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすること等によって本人を保護します。
また、法定後見制度は、「後見」「保佐」「補助」の三つに分かれていて、判断能力の程度等本人の事情に応じて制度を選べるようになっています。

任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来判断能力が不十分な状態になった場合に備え、あらかじめ自分が選んだ代理人に自分の生活や財産管理に関する事務等について代理権を与える契約を公正証書で結んでおくものです。
こうすることで、本人の判断能力が低下した後に任意後見人が任意後見契約で決めた事務について家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約等をすることによって、本人の意思にしたがった保護をすることが可能になります。

裁判員の仕事

今日の法律問題は裁判員の仕事についてご説明します。
裁判員はくじで選ばれるので、いつ誰がなるのかわかりません。
裁判員制度の対象となる事件は、殺人、強盗致死傷、危険運転致死、現住建造物等放火等が代表的なものです。
では裁判員に選ばれたら、どのような仕事をするのでしょうか。

まず、裁判官と一緒に刑事事件の法廷に立ち会います。
法廷では証拠書類を取り調べるほか、証人や被告人に対する質問が行われます。
裁判員からも証人等に質問ができます。

次に、被告人が有罪か無罪か、どんな刑にすべきかを裁判官と一緒に議論します。
意見が全員一致とならなかったときは多数決により行われます。
被告人に不利な判断をする場合は、裁判官1人以上が多数意見に賛成している必要があります。
評決内容が決まると、法廷で裁判長が判決を宣告することになります。
裁判員としての役割は、判決の宣告により終了します。

なお、裁判員には日当と旅費が支給されます。
日当の額は、裁判員候補者、選任予定裁判員については1日当たり8,000円以内、裁判員、補充裁判員については1日当たり10,000円以内で決められます。
また、裁判所が自宅から遠い等の理由で宿泊しなければならない場合は、宿泊料も支払われます。

貸金業者への過払い金

今日の法律問題は貸金業者への過払い金についてです。
過払い金とは、本来支払う必要がないのに支払い過ぎたお金のことをいいます。
過払い金が発生する原因は、利息制限法と出資法にあります。

まず、利息制限法では金利の上限を15~20%と定めています。
この上限を超えた金利を定めても、超えた部分は法律上無効とされています。

一方、出資法では上限金利が29.2%とされており、これを超えて金利を設定している場合、刑事罰が科せられています。

つまり、利息制限法を超えた金利を設定しても、出資法の上限金利を超えなければ刑事罰は科せられないのです。
この間の金利はグレーゾーン金利とよばれ、貸金業者の一部はこのグレーゾーン金利を設定し、違法に金利を取っていることがあります。

少額訴訟制度

今日の法律問題は少額訴訟制度についてご説明します。
少額訴訟とは、原則として1回の期日で判決をする訴訟手続で、60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り利用することができます。
訴訟費用も安く、簡易迅速な問題解決が可能となっています。

例えば、未払い賃金請求、売掛金請求、車両の修理代請求等に有効です。
また、訴訟の途中で話合いにより解決(和解)することもできます。
なお、少額訴訟について控訴はできず、判決に対する不服申立ては、異議の申立てのみ認められます。

私道の通行

今日の法律問題は私道の通行についてです。
私道は、国道や県道等の公道とは異なり、所有権は私人(個人)にあります。
他人がその私道を通行する際には、何か問題はあるのでしょうか?

結論からいえば、たとえ土地所有者でも一般公衆の通行を妨害することはできません。
なぜなら、個人所有の私道であっても、道路交通法上の「一般交通の用に供するその他の場所」という概念に含まれることになり、所有者は他人の通行を妨害してはならず、また料金を支払わないと通行させないとすることもできません。
したがって、近所の人は安心して通行することができるのです。

マンションの値上げ

今日の法律問題は家主からマンションの賃貸料値上げを請求された場合です。
家賃の増額請求は、家主の一方的意思表示で効果が発生すると考えられています。

しかし、値上げ額は適正でなければならず、家主は住人と意見が一致しなければ裁判を起こし、自分の値上げ額が適正だと判決をもらわなければいけません。
住人としては、相当と思う家賃を支払いたいわけですが家主が受け取らない場合があります。

こんなときは法務局へ供託を行います。こうすることで家賃不払いにはなりません。
例えば家主から3万円の賃料値上げ請求があったとしても、住人が1万円が相当だと思えば、従前の額に1万円をプラスして供託するのがいいと思います。

ただし、家主が請求する3万円の値上げが適正だと裁判が確定したときは、住人は供託額との差額を利息付きで支払う必要が生じてしまうので注意が必要です。

交通事故の加害者

今日の法律問題は交通事故の加害者についてです。
交通事故は、いつ自分の問題になるかわかりません。
もし加害者になってしまったら、どのような責任を負ってしまうのか…。

まず、酒気を帯びていた場合等は行政上の責任を負うことになります。免許停止処分や取り消し処分等がこれに該当します。
次に民事上の責任です。被害者の自動車が破損したり、建物に突っ込んだ場合等、加害者はその損害を賠償しなければならなくなります。
さらに刑事上の責任も発生します。刑法の業務上過失致死罪、危険運転致死傷罪、道路交通法違反等がこれにあたります。

このように、交通事故の加害者になってしまうと様々な責任を問われることになります。普段から安全運転には気を配りたいものですね。
なお、被害者への謝罪やお見舞い等、道義上の責任もないがしろにはできません。